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調査レポート
上場企業サイトの問い合わせフォーム利用状況調査レポート(2011年3月度)
2011年5月27日
株式会社ゴーガ
企業のコーポレートサイトは、インターネット上の企業の“顔”ともいえる存在であり、今日ではコーポレートサイトを閲覧してから取引を始めることも珍しくない。コーポレートサイトに問い合わせ窓口のメールアドレスや電話番号を記載している企業も多く、サイトを閲覧した後でスムーズに問い合わせることが可能となっている。また、メールソフトなどを使わずに、問い合わせのメールを送信できる“問い合わせフォーム”を設置しているコーポレートサイトもよく見かける。本調査では、国内主要企業すなわち上場企業のコーポレートサイトにおける問い合わせフォームの利用状況を調べ、あわせて情報セキュリティ対策について調査を行った。
1. 問い合わせ項目の有無
| 調査対象 | 3614社 | ||
| 問い合わせ 項目あり |
「お問い合わせ」等 | 3189社 | 88.2% |
| その他の表現 | 188社 | 5.2% | |
| 問い合わせ項目なし | 237社 | 6.6% | |
注:上場会社を対象としているため、企業グループによってホールディングス企業が分離している場合は、ホールディングス企業のホームページのみを調査し、子会社となる中核事業会社のホームページは調査していない。
まず、コーポレートサイトを保有する上場企業について、サイト上に問い合わせに関する項目を設けているかを調べた。また、その表現についても調査した。93.4%の企業が問い合わせ項目をコーポレートサイトに設けており、88.2%が「お問い合わせ」またはこれに類する語句を用いていた。ほかの表現としては「お客様相談室」「ご意見・ご感想」「サポート」などがあった。
2. 問い合わせフォームの利用状況
(1) 所在地別の状況
問い合わせ項目を設けている企業の問い合わせフォームの利用状況について調べた。また、問い合わせフォームを利用している企業については、データ送信にSSL暗号化を用いているかも調べた。
全体では、74%の企業が問い合わせフォームを利用しており、52%がSSL暗号化を用いていた。26%の企業が問い合わせフォームを利用していなかった。問い合わせフォームを利用していない場合、メールアドレスのみ記載、電話番号のみ記載、メールアドレスと電話番号の併記のいずれかが多かった。
本社所在地別では、中国地方に本社をおく企業の問い合わせフォームの利用率が86%と高かった。SSL暗号化を用いた問い合わせフォームの利用率が高かったのは、東京都で58%だった。問い合わせフォームを利用していない企業が多かったのは、四国地方と九州地方で44%、40%となった。
(2) 事業規模別の状況
問い合わせフォームの利用状況を事業規模別で調べた。資本金、単独従業員数、単独売上高、当期利益の4項目では、全体的に規模の大きい企業が問い合わせフォームの利用率が高く、SSL暗号化の利用率も高いのがわかる。とりわけ、従業員数や売上高についてはこの傾向が顕著になっている。資本金では、問い合わせフォームの利用率がほぼ一定となり、資本金が多い企業ほどSSL利用率が高くなっている。当期利益については、利益が大きい企業がSSL利用率が高いが、逆に赤字が大きい企業もSSL利用率が高いことが見てとれる。
(3) 業種別の状況
業種別の分類では、空運業が100%、電気・ガス業が88%と、SSLを用いた問い合わせフォームの利用率が高かった。SSLでない問い合わせフォームの利用が多かったのは、鉄鋼の43%、ガラス・土石製品の42%であった。問い合わせフォームの利用率が最も低かったのが銀行業で、利用率は44%にとどまった。
3. SSL証明書の利用状況
(1) 所在地別の状況
問い合わせフォームにSSL暗号化を利用している企業について、SSL証明書の種類を調査した。全体では、ベリサインが58%と最も多く、SSLを導入している企業の過半数がベリサインを利用していることがわかる。次いで、グローバルサイン、サイバートラスト、セコムパスポートという順位となった。
本社所在地別では、いずれの地域でもベリサインが利用率首位となったが、北海道では33%とやや割合が少なかった。ほかの地域では、ベリサインが50%~60%弱の割合を占めていた。グローバルサインの利用率が高いのは、東京都を除く関東地方で19%であった。サイバートラストとセコムパスポートの利用率は各地域で拮抗しているが、北海道と九州地方ではサイバートラストが優勢だった。
(2) 事業規模別の状況
SSL証明書の利用状況を事業規模別で調べた。資本金、単独従業員数、単独売上高、当期利益の4項目では、全体的に規模が大きくなるほど、ベリサインの利用率が高くなる傾向が読みとれる。とりわけ、従業員数と売上高ではその傾向が顕著であった。当期利益では、利益が大きい企業と、反対に赤字が大きい企業でベリサインの利用率が高くなり、問い合わせフォームのSSL利用率と似た形のグラフになった。グローバルサインは、中堅・中小規模の上場企業で全体的に利用率が高くなった。
4. 情報セキュリティ認証の取得状況
(1) 所在地別の状況
SSL暗号化に関連して、上場企業の情報セキュリティに関する認証の取得状況について調べた。情報セキュリティに関するおもな認証には、プライバシーマークとISMS/ISO27001がある。今回はコーポレートサイトにおける表示をもとに両者の取得状況を調査した。
全体では、プライバシーマークとISMS/ISO27001の両方を取得している企業が1.6%、プライバシーマークを取得している企業が10.7%、ISMS/ISO27001を取得している企業が4.1%となった。約13%の上場企業が何らかの情報セキュリティ認証を取得していることになる。
本社所在地別で両方の認証を取得している企業の比率が高かったのは、東京都の2.6%と四国地方の2.0%であった。プライバシーマークについては北海道が14.9%と、東京都の14.8%と並んで取得率が高かった。ISMS/ISO27001は、東北地方が6.9%と取得率が最も高かった。
(2) 事業規模別の状況
事業規模別でも情報セキュリティ認証の取得状況を調べた。資本金、単独従業員数、単独売上高、当期利益の4項目で、全体的な傾向は読みとることができなかった。資本金では、規模の小さい企業ほど認証の取得率が高くなっているのがわかる。従業員数では、従業員数1万人以上の企業の19.0%がプライバシーマークを取得しており、取得率がとりわけ高かった。
売上高では、1兆円以上の企業が17.2%、10億円以上50億円未満が16.1%とプライバシーマークの取得率が高かった。10億円以上50億円未満の企業は、ISMS/ISO27001の取得率も7.5%と高くなった。当期利益では、0円以上1000万円未満の企業がプライバシーマークの取得率28.0%、ISMS/ISO27001の取得率4.0%と高い割合を示した。
(3) 業種別の状況
情報セキュリティ認証の取得状況を業種別でも調べてみた。プライバシーマークとISMS/ISO27001のいずれの取得率も高かったのが情報・通信であり、それぞれ48.1%、20.4%となった。プライバシーマークの取得率では、空運業が40.0%と情報・通信に次いで高かった。ISMS/ISO27001の取得率が高かったのは、建設業の10.4%、保険業の9.1%だった。
認証取得の表示なしが100%の業種もあり、情報セキュリティ認証を取得する必要性は業種によって大きく異なると考えられる。ただし、コーポレートサイトに認証取得を表示していないケースや、ホールディングス企業では認証を取得していないものの、個別の子会社では認証を取得しているケースなどもあると考えられる。
今回の調査で、上場企業の70%以上がコーポレートサイトに問い合わせフォームを設置していることがわかった。規模の大きい企業では、問い合わせの種類も多岐にわたると考えられ、内容に応じて送信先を自動で振り分けられる問い合わせフォームの利用は、業務効率化の面でも有効であるといえる。また、過半数の企業がSSL暗号化を利用しており、とりわけ規模が大きくなるほど利用率が高くなることから、規模に応じて情報セキュリティへの意識も高まると考えられる。
プライバシーマークやISMS/ISO27001といった情報セキュリティ認証の取得については、企業規模が大きくなるほど、取得までのコストや手間が増えるため、業種や顧客層によって対応が分かれると思われる。しかし、2005年の個人情報保護法施行以降、情報セキュリティへの関心は高まっており、今後も取得を検討する企業は増えていくと予想される。
