皆様、こんにちは!
Google Maps Platform のプロフェッショナル集団、ゴーガです。
今回は、Google Maps Platform に新たに仲間入りした「Isochrones(アイソクロン)API」についてご紹介します。
指定した地点から「徒歩 15 分」や「車で 20 分」で行ける範囲(到達圏)を計算し、地図上に描画するためのポリゴンデータをパッと返してくれるこのAPI。「移動時間・距離」をベースにしたエリアデータを使うことで、一体何ができるようになるのか、具体的なユースケースをまとめてみました。
Isochrones(アイソクロン)API とは?
「アイソクロン」とは、日本語で「等時線(とうじせん)」のことです。地図の「等高線」の時間バージョンのようなイメージで、「ある地点から指定した時間内に到達できるエリア」を教えてくれる API です。
GIS(地図情報システム)でよくある「半径 ◯ km」という指定は、あくまで空から見た「直線距離」にすぎません。しかし実際の街には、川や線路、行き止まりなどルートを遮断する要素が多く、同じ距離でも到着時間は大きく変わってしまいます。
Isochrones API は、この「距離と時間のギャップ」を解消します。
徒歩・自転車・車などの移動手段や実際の道路ネットワークを考慮し、「車で 10 分間で移動できる、本当の限界線」を算出。スムーズに進める方向は長く、迂回が必要な方向は短く判定されるため、地図上にはリアルな移動範囲を示したアメーバ状のエリアが浮かび上がります。
「渋谷駅」を中心に、自動車 15 分以内に到達できるエリアをリクエストした例
どういうユースケースで使えそうか?
この API は特に「車や自転車での移動」がベースになるサービスや、ビジネスの分析で力を発揮しそうです。
ユースケース 1:エリアマーケティング(ポスティングなど)
例えば、新しく店舗を出して、その店舗に「車で 10 分以内に来られるエリア」を対象にポスティング(チラシ配り)をしたいとします。従来の「半径〇km」という丸い商圏設定を超えて、広告やアプローチの効果を最大化できます。
- 「遠くてもすぐ来られる人」を見逃さない 大きな幹線道路沿いなど、距離は離れていても「車で 10 分であっという間に来られるエリア」を網羅できます。
- 「近くても来づらい場所」を事前に見分ける 直線距離は近くても、細い路地ばかりで時間がかかる場所をあらかじめ除外できます。
- コストを抑えてピンポイントに届ける 「本当に 10 分以内で来られるリアルな範囲」がわかるため、無駄のない効率的なチラシ配り(ポスティング)が可能になります。
ユースケース 2:デリバリー・出張サービスの「担当エリア選定」
各拠点やスタッフの担当エリアを最適化し、現場のミスマッチを解消します。
- 移動ルートに基づいた「リアルなエリア分け」 「自転車や車で15分以内に到着できる範囲」を正確に割り出し、それをベースに担当エリアを設定できます。
- 「川や線路」による到着遅れを防ぐ 距離ベースのエリア分けで起こりがちな、「川の向こうだから遠回りが必要で、予定通りに到着できない」といったトラブルを未然に防ぎます。
- ユーザーへの提示時間が正確に 実態に近い「〇分でお届け(訪問)可能です」という案内ができるようになり、サービスの信頼性が向上します。
- スタッフの稼働効率を最大化 スタッフが無理なく移動できる体制が整うため、より多くの注文や依頼に対応できるようになります。
まとめ
Isochrones API の登場によって、これまでの「半径 ◯ km」といった円商圏ベースの考え方から、私たちの生活感覚や交通事情に即した「移動時間ベース」の計算や可視化へ、より手軽にシフトできるようになるかもしれません。
試験版がリリースされたばかりなので、位置情報を使ったサービスを開発している方は、仕様の確認がてらに一度触ってみてはいかがでしょうか?
ドキュメント:https://developers.google.com/maps/documentation/isochrones
デモ:https://developers.google.com/maps/documentation/isochrones/demo
ゴーガには Google Maps Platform に精通したエンジニアが多く在籍しています。
「そもそも Google Maps Platform って何?」や「Isochrones API から取得した結果はどうやって地図上に表示すればいいの?」など、気になることがありましたらお気軽にご相談ください!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!