導入インタビュー
株式会社石垣 様
株式会社石垣様が提供するクラウドサービス「miyoru」の地図画面をゴーガが開発しました。「miyoru」は同社が提供するポンプ施設や脱水機・ろ過機の稼働状況や周辺状況をリアルタイムで監視できるプラットフォームです。開発にあたり、「開発力」および「実績と将来性」の点で複数社の中からゴーガを選定していただきました。Google Maps Platform をベースとしたパッケージサービスが高く評価され、カスタマイズの範囲が最小限であったため、短期間で開発することができました。
貴社の沿革を教えてください。
中村様:弊社は1958年に創業したプラントエンジニアリング・メーカーで、香川県に工場・開発センターを構え、脱水機やろ過機、ポンプ施設などを提供しています。上下水道インフラ関連の「水環境分野 環境機械」、「水環境分野 ポンプ」、あらゆる分野の固液分離に対応する「産業分野 産業機械」の3つの事業を展開しており、固体と液体を分離させる固液分離の領域では独自の技術で世界的に高く評価されております。
ポンプについては小・中規模な雨水排水ポンプ場がターゲットで、水門に取り付ける浸水対策用の「フラッドバスター」という製品を提供しています。この製品は水位が低くなると運転を停止しなければならない従来のポンプと違って水位が下がりきっても稼働し続けることが可能なので、電気設備機器の故障が発生しやすい断続的な豪雨でも故障リスクを最小限に抑え確実に稼働することができます。また、関連会社の石垣メンテナンスとともに装置販売とアフターサポートを一体化させたサービスを展開しており、この点も強みとなっています。
どのような経緯でmiyoruを開発・提供しようと考えられたのでしょうか?
中村様:水インフラを運営するためには、限られた予算や人員の中で、増加する自然災害への対応が求められるなど多くの課題があります。弊社はそのような課題を解決すべく、設備・機器から収集した情報を蓄積し、AIを活用することで最適な水環境を提供するプラットフォームを目指してmiyoruを開発しました。miyoruの提供を通じて、長年培った技術力をデジタルテクノロジーと掛け合わせ水環境を最適に導くことで持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。
また、弊社のお客さま向けサービスとして、設備・機器のマニュアルを文書や動画の形ですぐに見られる機能を提供しており、有事の際はこのマニュアル閲覧機能が大変便利であるとお客さまには好評をいただいております。水環境分野においても人手不足や事業継承が課題となっており、miyoruはそのような課題にも対応できるシステムとなっています。
miyoruは一般にも公開しており、ポンプ施設で検知した水位や流向のほか、オープンデータとして公開されている各地の河川の水位や河川カメラなどは誰でも見られるようにしています。一方、弊社のお客さまは専用アカウントでログインすることにより、一般には公開されていない弊社製品の稼働状況をリアルタイムに把握することが可能で、ポンプはもちろんのこと、脱水機やろ過機など、それ以外の環境機械や産業機械の情報も見ることができます。
miyoruを貴社の顧客だけでなく、一般にも広く公開している理由をお聞かせください。
中村様:miyoruはオープンデータも多用しており、国土交通省の河川カメラのAPIを活用して各地の河川の状況を見られるようにしています。さらに弊社が提供する設備にもカメラが設置されており、これらの情報は国土交通省をはじめ多くの方に利用いただけるのではないかと考えました。オープンデータというのはお互い共有し合うのが大事なので、私どもとしてはそのような提供を実現できたことを嬉しく思っております。国土交通省の河川カメラと弊社設備のカメラをあわせて提供することにより、各地の河川の状況をリアルタイムに確認することが可能となり、とくに洪水や浸水など有事の際にお役に立てると思います。
また、miyoruではGoogleストリートビューも見られるようになっているので、あたかも現地にワープしてその場所に自分がいるかのような感覚を味わえます。地図ページにおいてもストリートビュー上に弊社が提供している機械の場所にピンが立ち、ワイドビューで現地にいるかのようなユーザー体験を実現できます。
miyoruのシステムにおいて、地図機能の重要性についてどのようにお考えでしょうか?
中村様:マップがあることによって視覚的にわかりやすくなり、情報を知りたい施設や河川を探しやすくなるので、地図機能はとても重要です。みなさんがスマートフォンを使って飲食店を探すときは地図アプリを使う場合が多いと思いますし、ユーザーインターフェイスもスタンダード化しているので、miyoruも同じ使い勝手にしたほうが受け入れられやすいのではないかと思いました。
石井様:ポンプの情報を提供する上でも地図はとくに大事です。なぜかというと、ポンプの管理というのは地理的な要因が大きいからです。例えばある地点の浸水リスクが高まった際に、上流や下流の川の状況がどうなっているのかを地理的に確認したいという要望はとても多いです。
miyoruのマップ開発にあたってゴーガを選んだ理由をお聞かせください。
石井様:今回はゴーガさんも含めて、Google Maps Platform を扱うベンダー3社を比較しました。検討にあたっては「コスト」「開発力」「実績と将来性」の3つの要素で評価しました。実はコストパフォーマンスについては他の2社のほうが高かったのですが、開発力の点で違いを感じました。ゴーガさんの場合は実際にデモサイトを作られて、それを見せていただいたのが大きく、完成形が目に見える形でイメージできたので社内の評価も高かったです。ここでゴーガさんが一歩リードしましたね。「実績および将来性」については、ゴーガさんが Google Maps のプレミアムパートナーに選ばれているという点と、豊富な実績があるという点においてゴーガさんが抜けていて、将来的にも長くお付き合いできると考えて最終的にゴーガさんを選びました。
開発する際に苦労した点や工夫した点がありましたら教えてください。
中村様:開発は2022年の9月頃に始まり、2カ月ほどで完成しました。この短期間で完成できた理由としては、やはり Google Maps Platform のパッケージの完成度が高かったからではないかと思います。時間をかけてすべて一から開発してカスタマイズした上に保守費用も高く、汎用性も低いというのは避けたかったので、期待通りだったと思います。
プロジェクト進行において、マップ機能も含めてmiyoruのさまざまな機能を複数のベンダー様と連携して開発していたので、仕様決めの段階では社内ではかなり激しい議論が行われました。マップ機能については、さまざまなオープンデータの中から、コストとの兼ね合いでどれを利用するかを決めることにも苦労しましたが、外部データとの連携については柔軟に行えたので、この点でもゴーガさんに依頼して良かったと思います。
システム導入後、社内外からの評価はいかがでしょうか?
中村様:社内の人間からの評価はとても良いのですが、社外的にはまだフィールドテストの段階で、使っていただけているお客さまが少なく、今のところ多くの感想をいただけてはいません。一方、今年開催された「下水道展」などの展示会では、ブースを訪れた方に非常に好評で、自治体やパートナー企業など多くの方に関心を持っていただけました。このようなイベントを通じて本格的に周知を図っていきたいと思います。
今後、機能強化の予定などありましたらお聞かせください。
石井様:次回以降のアップデートで、大雨警報や洪水警報などの気象関連の注意報・警報を追加することを検討しています。ほかにも今後はさまざまな外部データを取り込んでいきたいと考えており、ポンプ以外の機械の情報も増やしていきたいと思いますので、地図上で多種多様なピンを表示させることができるようにゴーガさんにはお願いしたいです。
導入サービス紹介
Google Maps Platform
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