実績インタビュー

JPコミュニケーションズ株式会社 様

郵便局広告の事業を展開するJPコミュニケーションズ株式会社様において、広告営業スタッフが利用する地理情報システムに、「GOGA GIS」を導入しました。同システムは、地図上で郵便局近隣のデモグラフィックスデータを可視化し、クライアントへのプロモーションに活用できるシステムで、国勢調査などの統計情報に加えて携帯電話ネットワークの仕組みを活用した人流データの「モバイル空間統計®」を活用することにより、さまざまな分析を行うことができます。

JPコミュニケーションズ株式会社 様

JPコミュニケーションズ株式会社
営業企画部 部長 安部 牧太様
営業部 課長 吉村 卓也様
※2025年3月時点

社名
JPコミュニケーションズ株式会社 様
導入サービス
GOGA GIS / モバイル空間統計
キーワード
広告, エリアマーケティング, 人流, モバイル空間統計

貴社の沿革を教えてください。

安部様:日本郵便株式会社では2008年に新規ビジネスとして、郵便局のスペースを活用した広告事業がスタートしました。弊社はこの広告事業を行う機能子会社として2014年に設立され、昨年度で10年目を迎えました。事業内容としては、全国約2万局の郵便局をコミュニケーションプラットフォームとして広告事業を展開するほか、グラフィックや映像、ウェブ、販促グッズ制作、イベントの企画などを提案・実施しています。また、日本郵便が創業以来培ってきたお客様からの信頼をベースに、物流網の活用やパートナー企業との連携により、マイナポイント申請端末の設置や地域商品券事業の受託、郵便車両による水道検針事業など、地方創生におけるさまざまな課題を解決する事業も行っています。

「郵便局アドマップ Plus」(GOGA GIS)の概要と主な機能について教えてください。

安部様:「郵便局アドマップ Plus」は、郵便局近隣の居住層やモバイル空間統計などのデモグラフィックデータを可視化できるマップで、郵便局広告の媒体価値を算定し、クライアントへのプロモーションに活用するために開発しました。全国の郵便局の位置と郵便局ごとの広告媒体を確認することが可能で、国勢調査の統計データやモバイル空間統計を活用することにより、どこの郵便局でどのような媒体を使えば広告効果を高められるのかを分析できます。クラウドシステムのため、個々の営業スタッフがそれぞれクライアントとの商談の際にこのシステムの画面を見せながら提案することができます。

郵便局アドマップ Plus 画面イメージ
トップ画面:クライアントとの商談の中で、画面を見ながら立地や広告媒体で絞り込むことができる

「郵便局アドマップ Plus」を導入する以前は、どのような方法で広告の出稿先を検討していたのでしょうか?

安部様:日本郵便の時代からGIS(地理情報システム)を使って「どこの郵便局に広告を出したらいいのか」「クライアント様のオフィスを起点として商圏内にどれくらいの郵便局があるのか」といった分析を行っていました。従来のGISでは、国勢調査などの統計データを使って、郵便局近隣の居住層やクライアント近隣の郵便局を地図上にマッピングしたものを資料化し、広告提案を行っていたのですが、資料作成に多くの時間と手間がかかるとともに、操作できる社員の育成にも時間がかかることが課題となっていました。

また、オンプレミスのシステムであったため、新型コロナウイルスの感染拡大時にテレワーク業務へシフトした際に使用頻度が減ってしまったことも課題となっていました。そこで、新たなクラウドのシステムを開発することで資料作成時間を短縮するとともに、モバイルPCを使って営業スタッフが商談時にクライアントのニーズに即した提案をダイレクトに行えるようにしたいと考えました。

開発にあたってゴーガを選んだ理由をお聞かせください。

安部様:親会社の日本郵便から紹介してもらったのがきっかけでゴーガさんのことを知り、ご相談していく中で、ゴーガさんであればユーザビリティの高いシステムで、かつ営業スタッフがクライアントへダイレクトにご提案できるシステムを作っていただけるのではないかと思い、お願いすることに決めた次第です。また、圧倒的に市場シェアの高い Google Maps Platform のプレミアパートナーであるとともに、大手ナショナルクライアントの導入実績があったことも選んだ理由のひとつです。

開発中、ゴーガに依頼して良かったと思われる点がありましたら教えてください。

安部様:開発が始まったのは2024年夏頃で、既存のGISで作成した営業資料や必要な機能をお伝えした上で、仕様を決めていきました。仕様が固まったのは2024年10月頃で、それから開発を開始し、今年の1月にローンチしました。およそ2カ月半という大変短い期間で開発していただいたのはとてもありがたかったです。ゴーガさんには、開発中における弊社からの要望に対する傾聴力やコミット力に加えて、開発の柔軟性やスピードにも満足しています。今回は開発着手からローンチまで非常に短期間だったため、ゴーガさんのコミュニケーション力にはとても助けられました。

開発する際に苦労した点や工夫した点がありましたら教えてください。

安部様:郵便局は全国に約2万件あるので、それらがまずきちんとすべてプロットされることが大事です。郵便局の情報は開局・廃局により月ごとに頻繁に変わり、各郵便局で扱う広告媒体の内容も変化するので、これらのデータを苦労することなくインポート・エクスポートする機能や、複数媒体で絞り込む機能を追加しました。また、複数の郵便局がマップ上に表示された状態からでも、きちんと見分けられるように視認性やデザインにはとてもこだわりました。とくに郵便局のマーカーの色味については何度も修正をお願いし、迅速に対応していただけたのでありがたかったです。このほか、既存のGISに搭載されていたクライアントと郵便局の拠点距離算定機能や、国勢調査データを使ったデモグラフィックの可視化機能などをリプレースすることにもこだわりました。

吉村様:UIについても、何度も試行錯誤を重ねて、かなりこだわりました。色々な社員が使うので、できるだけ簡単に使えるようにしてほしいという要望を出したのですが、完成したシステムを使ってみると、マニュアルが無くても使えるほど操作性がわかりやすく、大変使いやすいシステムになったと思います。また、従来のGISは本格的な市場開発や店舗開発にも使えるような多機能なものだったため、資料を作成する際には時間をかけて基礎データを分析しなければならず、そのスキルを修得するには非常に時間がかかっていましたが、新システムは修得がとても容易で、新入社員でもわずか3日間で使いこなせるようになりました。

「モバイル空間統計」を導入した理由をお聞かせください。

安部様:これまでのGISでは国勢調査の統計データを使っていたのですが、この統計データは調査を行った年から約5年のタイムラグがあるため、今回の新システムではモバイル空間統計の導入が必須であると考えていました。他社の人流データをご提案いただいたこともありましたが、サンプルサイズの大きさが決め手でモバイル空間統計を選びました。

郵便局アドマップ Plus 画面イメージ

郵便局詳細画面:郵便局周辺の平日休日別、時間帯、性別年代別の人流を把握することができる

システムの導入後、営業スタッフからはどのような感想が寄せられましたか?

安部様:導入前に広告営業スタッフに使ってもらってヒアリングを行ったところ、「視認性が良く直感的に利用できた」「クライアントに商談の場で提案できるため、有用性があると感じた」と好評でした。また、既存システムでは使用していなかったモバイル空間統計の人流データについても、クライアントに高く評価されたそうです。さらに、当初は想定していなかったメリットとして、Google Maps Platform の機能であるストリートビューや、近隣施設の情報などを案内することで、郵便局周辺の立地状況をよりリアルに可視化できるようになったという声もあります。従来はGISで制作した資料をクライアントにお渡しするという形でしたが、新システムを導入して以来、商談の場でパソコンの画面をクライアントに見せながらプレゼンテーションするという営業スタイルに変わりつつあります。

機能強化など、今後検討されていることがありましたらお聞かせください。

安部様:現在は弊社内の広告営業スタッフにしかアカウントを発行していませんが、今後は弊社指定代理店へのアカウント発行や、アカウント別のユーザ権限付与なども検討しています。当社の広告営業スタッフだけでなく、代理店もこのシステムを使って直接クライアントにご提案できるようなシステムに昇華させていくことにより、さらなる利用機会を創出して郵便局広告の売上増進につなげていきたいと考えています。また、パッケージでの広告出稿を誘引するため、各郵便局の立地属性により、「ビジネス街立地」「シニアターゲット立地」などセグメントできる機能を追加することも検討しています。

広告業界および郵便業界の最新動向と、その中で貴社が果たす役割について今後の展望をお聞かせください。

安部様:広告業界はデジタル技術の進化や消費者行動の変化に伴ってデジタル広告市場の拡大やAIによる消費者行動予測、コンテンツ最適化が可能となり、それらを活用して広告効果を高める取り組みが進んでいます。一方、郵便局広告は消費者へのラストワンマイルを担うプラットフォームとして、デジタルや高い広告効果に応える媒体開発や提案を行うことが求められています。昨今の物流コスト上昇や人員不足など、物流会社は厳しい事業環境でありますが、郵便局が長い期間をかけて築いてきた信頼関係をもとに新たな郵便局の価値を発掘し、企業や自治体などの期待に応えることでグループ収益に貢献することが必要であると感じています。

ゴーガへの要望がありましたらお聞かせください。

安部様:ゴーガさんについては今回の新システムの開発において、コミュニケーションをうまく図ることで柔軟でスピーディーな開発をしていただき、何度も助けていただきました。また、会社としてのデザインへのこだわりも随所に感じられ、度重なるデザイン変更にも速やかにご対応いただいてありがたかったです。今後も引き続き、業界の変化など市場にマッチした開発提案や、他企業の導入事例などをご紹介いただければと思います。また、「郵便局アドマップ Plus」の機能拡張やさらなるユーザビリティ向上のほか、地方創生関連事業など弊社の他の事業への新たなシステムの共同開発などもお願いしたいと考えています。

吉村様:この手の開発では、専門用語が飛び交うことが多いですが、ゴーガさんには私どもの要望に傾聴していただいた上で、ユーザー目線で話をかみ砕いて簡単な言葉で説明していただけたので、我々としてはとてもやりやすかったと思います。現時点でもシステムの使い勝手はとても良いのですが、今後は個々の営業マンの勘や経験でデータを分析する作業についても、ある程度、このシステムで完結できるようになれば、営業ツールとしてもっと良いものになると思うので、その点でも一緒にブラッシュアップしていきたい思います。

※「モバイル空間統計」は、株式会社NTTドコモの登録商標です

導入サービス紹介

Google Maps Platform

業界でも高いシェアを誇る Google マップのデータ・機能を、お客さまのビジネスに活用いただけます。さまざまなシーンやニーズに合わせて、ライセンス取得から実装まで。Googleのプレミアパートナーであるゴーガがサポートします。

GOGA GIS
「GOGA GIS」は、最新の位置情報ビッグデータを搭載したマップ上で、自店データをはじめ、さまざまなデータを閲覧・管理できるプロダクトです。軽快な操作性と誰でも利用できるUIで、位置情報ビッグデータと自社保有データを重ね合わせることで、戦略マップとして活用することが可能です。

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