導入インタビュー
株式会社ヤクルト本社 様
ヤクルト本社および全国のヤクルト販売会社に導入しているルート管理システム「ROS+システム」をゴーガが開発しました。ROS+システムは、曜日ごとに配送ルートを管理することが可能で、どの曜日にどの取引先を訪問するかを検討しながら、ルート巡回にかかる時間を算出することができます。また、Google Maps上に表示された現状のルートエリアをもとに、各ルートの月間売上や業務時間等の情報を参照しながら最適なエリア編成のシミュレーションをすることが可能です。
弊社システムを導入する以前は既存のシステムにどのような課題をお持ちで、どのような理由でリプレイスすることを決め、弊社を選ばれたのでしょうか?
既存のシステムは2005年に開発されたもので、地図画面が見づらく、ローカルストレージに保存した地図データも古くて取引先の正確な位置を把握することが困難であり、何件も手入力で修正しなければならないといった課題がありました。また、古いシステムのため、現行のパソコン環境に対応できないことも問題でした。ルートの再編成は現場において業務効率化・労働生産性向上という観点で必須のプロセスであるため、上記課題を解消する新システムを開発したいと考え、今回のリプレイスに至りました。
ルートの再編成はそれぞれの販売会社で行われるのでしょうか?
以前のシステムは使い方がわかりにくかったため、販売会社からの「ルートを再編成したい」という要請に応えて弊社の各支店の担当者がシステムを操作し、編成の提案を行っていたのですが、新システムの導入にあたり、個々の販売会社がそれぞれ現場で再編成を行えるようにしたいと考えました。そこで、新システムの開発に際しては、わかりやすく誰でも簡単に操作方法を習得できるシステムを目指しました。
導入する際に他社サービスとの比較検討はされましたでしょうか?
ゴーガさんとは別に、3社の比較検討を行いました。ある会社からは配車計画やカーナビ、実績管理、動態管理まで行うことができるパッケージシステムを提案されたのですが、日別の配車を見直すことには長けているものの、月間トータルで見直す場合は少し手間がかかり、また、販売会社ごとに導入する場合は全ルート分のランニングコストが発生してしまうのも問題でした。
別の会社からは、車両台数削減のシミュレーションや売上金額、積載量に応じたルート編成が可能なパッケージシステムを提案されました。重量や配送時刻などの荷物の制約や、車種・運行時刻といった車両に関する制約を考慮できるなど、多機能でしたが、操作が複雑で画面も見にくいという問題がありました。
もうひとつの会社からは、独自の数理処理により、短時間で効率のいい計画立案が可能なシステムを提案されましたが、金額が非常に高いことが問題となりました。
そのような比較検討を経て、ゴーガを選定した理由を教えてください。
まず、Google Mapsを使っており、多くの人に馴染みがあって見やすいのが魅力だったことに加えて、当社独自の事情を考慮したシンプルで見やすいシステムの開発が可能であったことも大きいです。また、コスト面においても、ある会社からは、販売会社で導入する場合は全ルート分のランニングコストが発生し、見積り金額が高くなってしまったことがあったのですが、ゴーガさんの場合はリーズナブルな価格で対応していただけました。
導入する際に苦労した点や工夫した点がありましたら教えてください。
従来のシステムは操作が複雑で、一部の担当者しか取り扱うことができませんでした。そのため、今回は「誰でも簡単に操作できるシステム」をコンセプトに開発を進めました。その一方で、「あったら便利な機能」はしっかり兼ね備えたシステムにしたいと考えたため、どのような機能を、どこまで、どういう形で実装すればいいのか、そのバランスを取るのが難しかったように感じます。
既存のシステムにはなかった機能としては、日々の巡回ルートを曜日ごとに画面に表示して、最適化ボタンを押すとGoogle Maps上で計算された最適な順番に並び変わる機能を追加しました。これまでは地図上で担当者ごとのエリア編成を検討する機能はあったのですが、担当者それぞれの日々の巡回を最適化する機能がなかったので、この機能を追加することでGoogle Mapsが提示するルートを参考に効率的なルートを検討できるようになりました
開発中は、こちらの要望を伝えるとゴーガさんがくみ取ってくれて、それを反映させたデモシステムをスピーディに提示してくれたため、そのデモシステムに対して都度要望を伝えていく形で進めていき、結果としてはこちらのイメージ通りのシステムを開発することができました。また、社内において関係者のコンセンサスを図る際にも、実際に動いているシステムを見せることができたので、プロジェクトがスムーズに進みました。
システム導入後、狙い通り課題は解決されましたか?
まだ導入して間もないということもあり、全社で利用されているわけではありませんが、使った人からは「操作も簡単だし、地図も見やすい」と好評で、すでにROS+を使ってエリア編成や巡回経路の見直しを行い、ルート数および労働時間の削減につながった販売会社もあります。
また、「パソコンに不慣れな人も操作できた」という声もあり、従来のシステムと比較して誰でも簡単に操作できるということから、担当者に興味・関心を持ってもらえるようになり、活用度合いは以前の2倍以上に増えました。今後もさらに活用促進を行い、ROS+を利用した業務効率化・労働生産性の向上を図っていきたいと考えております。
飲料業界の最近の動向と貴社の今後の展望をお聞かせください。そしてその中で弊社のシステムがどのような役割を担っているか、ご意見がありましたらお聞かせください。
コロナ禍の今、テレワークへの移行や巣ごもり需要の増大など、人々の生活様式には大きな変化が現れており、非接触型への対応など、サービスのあり方も変化させていく必要があります。また自動販売機の売上は減少傾向にありますが、乳製品や健康飲料は需要が高まっており、そのような状況の中でヤクルトでしかできない「健康」を軸とした新たなお客さまサービスを提供し続けていくことの必要性を感じています。
一方で自動販売機の補充などオペレーションに関しては、引き続き、お客さまに対する「安全・安心」の提供を第一に考えるとともに、自社での業務改善の取り組みにより現場の生産効率の向上に繋げていきたいと考えます。ROS+はその点において非常に有効なツールであり、引き続き積極的な活用促進を図っていきます。
今後もヤクルトとしてお客さまや取引先さまのお役に立てることは何か、地域に貢献できることは何かを常に模索し、行動し続けることで、「世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献する」という当社の企業理念を追求していきたいと考えます。
最後に、ゴーガに期待することがありましたらお聞かせください。
ゴーガさんにはいつも親切にご対応いただいていて、「こんなことできますか?」とエンジニアさんに相談すると、「できます」と言ってこちらの無理難題を聞いてくださるので、とても助かっています。今後とも機能の追加や改善などで色々とお願いするとは思いますが、引き続きよろしくお願いします!
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