導入インタビュー

株式会社TTES 様

橋梁などの大型構造物をモニタリング、シミュレーションするビジネスを行なっている TTES 様。東工大発のベンチャー企業で、たわみの計測をはじめとした各種モニタリングなど、橋梁の健康診断を行なうプロフェッショナル集団です。集めたデータをマップ上で表示・管理するのがゴーガが開発した『 Infra Studio 』です。『 Infra Studio 』はゼロから作った受託開発案件で、社内向けのシステムとなります。IoT技術とGIS管理を組み合わせた『 Infra Studio 』誕生の背景や実際に行なっている橋のたわみ計測についてお話しを伺いました。

株式会社TTES 代表取締役社長 菅沼 久忠様(右)と同社 梅川 雄太郎様(左)株式会社TTES 代表取締役社長 菅沼 久忠様(右)と同社 梅川 雄太郎様(左)
  • 社名株式会社TTES
  • 事業内容鋼構造物の設計・調査・点検 コンサルタント
  • 導入サービス個別開発
  • キーワードIoT, GIS管理, GPS

株式会社TTES

TTES 様のビジネスが始まった経緯を教えてください。

菅沼様:大学で専攻していた構造シミュレーションが全ての原点です。卒業後に橋梁設計会社に進みました。学んでいた構造シミュレーションを高値で外注しているのを見て、ビジネスチャンスがあるのではないかと感じたのをきっかけに事業を興すことになったのです。橋のモニタリング簡易ではありますが広域で行なっていきます。問題が起こった場合はシミュレーションが発生するのでモニタリング、点検調査、シミュレーション、診断などメニューごとの相互補完関係が成り立ちます。

構造シミュレーションは今なおコア事業であり、たわみの算出なども結局はそこに集約されていくということですね。

菅沼様:そうですね。今はIoT端末を使って橋ごとに一つ置いてモニタリングを行なっています。元々は橋ごとに事前にシミュレーションを重ねてチューンしたものを置いていました。モニタリングシステムを完全にゼロから作ると数千万〜数億円といったとてつもない額になってしまいます。中小橋梁はかけるコストに限りがあります。人口減少が進む中では、大きな橋梁と違って管理を担当するのも専門知識のある人材ではないことがほとんどです。どんな人材が担当することになっても見てすぐにわかる指標じゃないと理解してもらえません。例えばたわみならば◯ミリ、などの指標です。
こちらがモニタリングに使っている機械です。

3GS、GPS、加速度計などがまとまっている。サイズは幅125、奥行75、高さ75(mm)

初めて見ます。意外にシンプルな作りですね。

菅沼様:小型軽量化はもっと進められるのですが、どんな年代の方が担当になっても使えるサイズ、どんな環境に置かれても維持していけるような仕様であるようにしています。例えば山奥の橋であっても単3電池なら手に入れられますよね。そういう事情も視野にいれてこの仕様にしているのです。

Infra Studio の構想についてお聞かせください。

菅沼様:元々大型構造物用のものを1つずつフルスクラッチで作っていた頃から管理はGISでやると決めていました。

管理をGIS上で行なうと決めていたのはどういった背景からですか?

菅沼様:リスト表示も一つの方法ではありますが、地図を見て、ひと目で場所を特定できるようにする必要があります。地図で表示しないと、似通った橋の機器を誤って見てしまうリスクもあります。GPS情報がないとどこに対象物があるかどうかも特定することができません。こうした背景からGIS上での表示は必然でした。

梅川様:現地での計測は1橋あたり10分ほど時間がかかります。地方自治体の場合は山にある橋や海岸の近くなど、点在していることも少なくないです。現在は Google Maps で最適なルートを算出することができるので、1日あたりに作業できる件数も増えて圧倒的に効率よくまわることができるようになりました。

菅沼様:ゴーガさんのおかげですね。

単3電池に注目。

ありがとうございます。ウェブ掲載時は太字にしたいぐらいですね(笑)。開発からリリースされるまではどのような経緯をたどったのですか。

梅川様:最初はたわみの算出が簡単にできるようなアルゴリズムの開発から始まりました。遠隔で計測するシステムもありましたが、誰が行なってもデータさえとれていれば簡単にたわみを算出できるようにAPIのような形で、ウェブアプリケーションとして提供すれば簡単に使っていただけるんじゃないかと思ったことが始まりだったんです。

菅沼様:積分してたわみを計測するまでは大学の先生たちなどもやってらっしゃいます。そこからビジネスにしていくためには梅川が今申したように作業者依存性をなくすのがポイントでそこを梅川が開発していきました。

Infra Studioのデモ画面。橋が地図上に表示され、詳細情報が左側にリスト表示される。

サービス開始当初と現在とではどのぐらいモニタリングの橋梁の数が増えましたか?

梅川様:当初は数橋だったのが現在は数百以上です。

菅沼様:さらに増やしていくことを目指して行政や学術の世界を中心に実績づくりをしています。

導入はどのように拡げるのですか?

菅沼様:橋梁管理者がシンポジウムなどで話してくれると広まります。◯◯市さんがやっていたので、などの方法で問い合わせが来ることが多いです。それから学会は管理者と実務者と学者が揃うので広めやすい場と言えます。

競合はいますか?

菅沼様:たわみの計測自体は他にも行なっているところがあります。例えば大学などで研究している方がいらっしゃいます。ただし、計測したその先までカバーして事業として行なっているところはないです。

貴社の場合は店舗検索システム「 GOGA Store Locator 」などと違って、オーダーを理解するためにリテラシーが必要なシーンも少なくないかと思いますが、そういったコミュニケーションの面についてはどのようにお感じですか?

梅川様:こちらが説明するとすぐに感覚的に理解してくれるので、やりやすいです。あまり詳細ではない要望を出しても詰めた状態で提案をしてくれるので助かりました。

橋梁は公共事業といった側面もあって、プレイヤーが多いですね。

菅沼様:土建業は計測を横串で行なう文化がありません。特定のものを計測するセンサーを売っている会社は複数ありますが、そうすると全体を把握するためにたくさんのセンサーを見なければいけません。

そういったタテワリのところに Infra Studio は橋をかけるという役割もあるのですね。

菅沼様:まさにそうだと言えますね。 Infra Studio は元々たわみのシステムのためにつけた名前でした。それが誰ともなしに、どんなデータでもGISで管理するのは便利という認識に変わってきています。この先別のデータも入れていくことができれば土木インフラ分野の先進プラットフォーム化が進んでいくだろうと期待しています。同じプラットフォームを提供すると言ってもお客様によって提供するデータの形が少しずつ違っています。そういった違いに対応していけるようにすると、さらにたくさんのお客様の要望を叶えていくことにつながっていくと思います。ゴーガさんには今後の画面設計への柔軟な対応にも期待しています。

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